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医療データ統合管理システム開発プロジェクト

新しい機能を盛りこみ、既存版以上のパフォーマンスを実現する。
調査段階から参加したエヌアイデイは、要素技術の吟味からシステムの要となるインターフェイスの開発まで、
知恵とチームワークによって停滞なく進んでいます。

PROJECT MEMBER
  • 山本 一浩 1986年入社
  • 斎藤 志織 2005年入社
  • 藤平 俊輔 1991年入社
新しいITを安定的に導入する準備と
システム全体を調和させる視野

エヌアイデイは、医療機器メーカーの依頼を受け、医療機関で使用される心電図と検査データの統合管理システムの開発を手がけました。健康診断や診察などで得られた検査結果をデータベースで管理し、医師や検査技師が随時アクセスできる仕組みです。システムそのものは、市販製のサーバーコンピュータ、クライアントコンピュータで動作し、医療系の各種検査装置が接続します。また、ウェブブラウザでデータを参照できる「簡易版」も用意しました。

このシステムで難関となったのは、1件あたりのデータ量が多いこと。診断データは数値や文字だけではなく、画像・動画やチャートも多く含まれます。しかも、一般的保存形式ではなく、特殊なものもある。それを扱うデータベースの構造はもちろんのこと、ユーザー(医師や検査技師など)が参照するときどのように表示し、操作するかの画面構成も熟慮しなければなりません。

ところで、このシステムは既存版があり、今回はそれを全面的にアップデートするプロジェクトでした。既存版を作成したのはエヌアイデイではなく別のシステムインテグレータですが、このアップデート版は規模も大きく、開発期間も限られているため、複数のシステムインテグレータが協力しておこなうことになりました。エヌアイデイは主にユーザインターフェイスを担当。これはシステム各部とやりとりをする機能なので、自然とプロジェクト全体の取りまとめ的な役割も担うようになったのです。

プロジェクトは大きく2期に分かれます。第1期は調査期間。2013年4月から同年12月までの間、発注元である医療機器メーカーと打ち合わせを繰り返し、新しいシステムに求められる要件を詰めていきました。既存版に追加すべき機能を明確化し、既存版以上のパフォーマンスの目標を定めながら、エヌアイデイはシステムの専門家としてそれらを実現するために必要なITの提案をおこないました。

たとえば、このシステムにふさわしい要素技術として、いくつかの選択肢から絞りこみ、最終的にはWPF/XBAPに決定。WPFはユーザインターフェイス、2Dおよび3Dオブジェクトの描画、音声・動画の再生などの表現手法を統一的に利用できるサブシステム。XBAPはWPFの動作をそのままブラウザに埋めこむことができるアプリケーションです。ただし、日本国内ではWPF/XBAPは実績例が少ないため情報量が少なく、エヌアイデイプロジェクト・メンバーは海外のサイトを渉猟して実例を集め、吟味を重ねました。

このように、新しいITを導入する際には行き当たりばったりではなく、実証的な裏付けが必要です。この段階を徹底することで、実際のシステム構築で起こりうる問題をかなりの程度、避けることができます。

プロジェクトの第2期は開発段階。2014年1月からはじまり、15年3月の完成を予定していました。調査段階の第1期、エヌアイデイは4人のメンバーで臨んでいましたが、開発にあたって人員が必要。立ち上がりは12人のメンバーを編成し、作業ピーク時には26人まで拡大しました。開発リーダーは大規模なプロジェクトをいくつも率いてきたベテランがあたりましたが、医療機器系システムの経験があまりないため、その点は第1期からプロジェクトに貼り付いているメンバーが補いました。チーム内の意思疎通や意見交換を活発におこなうのがエヌアイデイの流儀です。また、外部研修(マイクロソフト主催の医療システムの技術セミナー)へメンバーを送り、技術のボトムアップにも努めました。

その一方で、メンバーの心身の健康にも最大限の留意をはらい、休日出勤や多くの残業を無くし、希望する休暇が取得できるように、キメ細かい進捗管理とメンバー間のフォローを行いました。仕事とプライベートのメリハリをつけることで、メンバーのモチベーションを高く維持することができたのです。

プロジェクト遂行で工夫が必要だったのは、他社との連携です。新しい技術の導入については前述したようにある程度の準備ができていましたが、他社とのやりとりでは言葉のニュアンスの違いやシステムとの関わり方の違いが思わぬ齟齬を生みます。発注元である医療機器メーカーと既存版システムを手がけたシステムインテグレータとの間ではあうんの呼吸でわかることが、新しく参加した我々には察することができず、それを確認するのに手間取ったということもあります。また、既存版システムが10年ほどをかけて機能追加していったものなので、膨大な情報の中からそれを解明し、新システムへと継承していくことも難しい点でした。さいわい、2014年4月に完成した新システムのデモ版は、発注元から高評価を戴き、これでプロジェクトの道筋が大きく開けました。

このプロジェクトでは新卒入社2年目の若手に重要な仕事を任せましたし、同じく1年目の新人も先輩の手伝いではなく、開発に参加する中で徐々に力を伸ばしていきました。それが可能なのも、世代間の壁がなく、遠慮なく発言ができ相談をしあえる風土があればこそでしょう。プロジェクトチームの全員が同じフロアに集結しており、定例的なミーティングのみならず、随時話し合いができる環境も大きなメリットです。周囲から「賑やかで和気あいあいとしたチームだね」と言われるほどチームとしての結束は確かなものでした。